作品紹介
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登場人物
浅岡 智
(あさおか とも)
三十代前半の会社員。
大学の後輩だった妻・咲美とは結婚してから五年が経つが、順風満帆な生活を送っている。
だが、藪沼と出会ったことで寝取られ性癖に火がつくことに。
浅岡 咲美
(あさおか さくみ)
智の妻で一児の母。
明るく健康的で素朴な愛らしさがあり、気は強いが心根は優しく、清廉で快活な性格。
半年前からスーパーでパートとして働いている。
藪沼 幹夫
(やぶぬま みきお)
咲美のパート先の副店長。
推定年齢五十代後半、三白眼に鷲鼻、厚い唇という不格好な外見。
上の者には媚びへつらい、目下には偉ぶる性格から、咲美に嫌われている。
目次
第一章 萌芽
第二章 カップル喫茶の暗がりで
第三章 夫婦交換演習
第四章 一度きりの約束で
第五章 一夜の真実(第一幕)
第六章 一夜の真実(第二幕)
第七章 忘れじの蜜
本文内容紹介
「まだ! まだだよアサオカちゃん。せっかくご主人が立ち直りかけてるんだ。あともう一息の辛抱ってこと。ねっ?」
引き留め工作をしているつもりの奴の瞳には、獣欲の盛りがギラつきとなって表れている。触れ合ううちに辛抱堪らなくなったのが誰の目にも明らかだ。
(こんな、こんなっ……咲美を性欲の捌け口としか見てない野郎に僕はっ!)
自己嫌悪が高まるほどに、股間の熱も、鼓動も強まってゆく。吐き気をもよおし、えずくたび、ズボンの内で男根がヒクつき、喜悦を吐き出したがる。
牡の卑しい衝動は、ズボン越しに触れている桂子にも筒抜けだ。
「ほら座って! もっと、ご主人が嫉妬してくれるようなスキンシップを……ね?」
「きゃっ! や、やだっ」
恍惚にのたうつさなかにあっても、愛妻の悲鳴に惹きつけられて、しかと視認した。
藪沼の手が、咲美の太腿に乗ったばかりか、掌を摺りつけるようにして撫で回している。ジーンズ越しの刺激を受けた咲美は背を震わせ、堪えるように唇を噛んでいた。羞恥を鮮明にする妻の表情と身ぶりに、思わず夫の目が魅入られる。
その間も、藪沼の手指は侵略を続ける。蜘蛛の足のごとき様相で腿肉の上を這い進み、咲美の股の付け根へと迫ろうとした。咲美は当然両足を閉じきり、腰を揺すってまで抵抗を示したものの。
「あ……っ!? や、ぁあっ」
鼠蹊部あたりをスリスリと指腹でくすぐられて、甲高い、切なさと嫌悪の混ざった声を上げさせられてしまう。
(……ッッ、藪沼ぁぁっ!)
図々しくも巧みに女の性感を炙る藪沼への怒りと嫉妬。あえなく快楽を引き出されようとしている妻への嘆き。それらが織りなすことでより膨らむ、歪な欲望。
諸々を無理矢理に呑み下した結果。入れ物の容積を超えた水が溢れるがごとく、胸を拍動、喉を吐き気、頭を眩暈、いずれも異常な勢いで溢れた衝撃を浴びせられた。耐えきれようはずもなくテーブルに突っ伏した智の口から、幾度もえずきがこぼれる。
挿絵イラストはWeb用に修正してあります。