作品紹介
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登場人物
桜木美貴子(さくらぎ みきこ)
結婚二年目の人妻にして都内高校の女教師。
教師らしく正義感が強く、曲がったことがきらい。弟には昔から甘い。
橋本達之(はしもと たつゆき)
美貴子の弟で、十六歳の高校一年生。
気が弱く昔から姉を頼り、想い慕ってきた。
加藤正蔵(かとう しょうぞう)
不動産屋。高校のPTA役員で、美貴子と同じ町内に住んでいる商店街のまとめ役。
森田泰次(もりた たいじ)
正蔵の知人の文房具店店主。
高校の購買に文具を卸しており、以前から美貴子とは顔見知り。
加藤克則(かとう かつのり)
正蔵の息子で、美貴子の勤務する学園の生徒。
本文内容紹介
(いやっ。す、すごすぎるのが。わたし、わたし)
按摩器責めでのぼりつめた直後の肢体でふたたび炎が燃えさかっているのがわかった。腰のあたりがとくに熱かった。じっくりと摩擦を受けるたびに人妻教師の喉からは、うん、と呻き声がこぼれるようになった。泣き声混じりの呻き声が――。
「おい、なんだ、奥さん。早すぎるだろ? イキそうなのか? がっかりさせないでくれよ。貞淑な奥さんのことだから我慢できるだろうが。うへへ」
肥満中年は角度を変えて擦りたててくるかと思うと、深く埋めこんだままで自分の腰を緩やかにグラインドさせてくる。かと思うと不意打ちのように引き戻してからまたピッチを変えた抽迭を行ってくる。数分で果ててしまう夫からは味わったことのないぴりぴりとした愉悦の波が容赦なく脊髄を溶かし、脳を灼きにかかってくる。初めて交わった相手なのに早くも肥満中年の凶器に馴染んでしまったかのように、美貴子の粘膜は弱々しいながらもうねりを示して相手を迎え入れ、からみついていた。それはこころよりも先に美貴子の肉体が屈服したあかしかもしれなかった。
(い、いや、わたし、いやよ、こんな奴なんかで……)
感じたくはない。
そう思えども。
「どうしたんですか、桜木さんの奥さん。ぜんぶ映ってますよ。今の奥さんの顔を桜木さんが見たらどう思うんでしょうねえ……ククク」
(映さないで……映さないで! 違う! わたしはいやなのに――いやなのに!)
不動産屋の言う通りだと思った。早すぎる。が――いくまいとくちびるを引き結んでも湧きあがってきた強烈な快感が美貴子にすべてを忘れさせようとしていた。ひっひっと洩れる呻きには愉悦がたっぷりと入りこんでしまっていた。
※紹介文とイラストは一致しない場合があります。
挿絵イラストはWeb用に修正してあります。
挿絵イラストはWeb用に修正してあります。