悪魔に一撃を入れる寸前、何故か俺の顔はあらぬ方を向いた。その隙を悪魔が見逃すはずもなく、完全に意識の外、死角から一撃が加えられる。下手をすれば竜でも一撃で死にかねない衝撃を受け、俺は思いっきり宙を舞った。
「……くそう、卑怯だぞ!」
「あんたって本当に馬鹿ね……知ってたけど」
スカートをちらちらさせ、心底呆れたような表情でラニはそう言った。俺が攻撃する瞬間、彼女はそれをちらりとやるのだ。見えそうで、見えない。そのギリギリの線を狙った凄まじい見切りだった。自然、俺は視界どころかそちらに全神経を集中することを余儀なくされ、敵の攻撃を受けてしまうという仕組みだった。
先にラニをなんとかしようと転移して彼女の傍に寄れば、それを読んだ彼女は拘束される前に転移してしまう。それに、流石に青銀色の悪魔の攻撃を避けながら彼女を拘束しつつセックスするのは難しい。あいつはちょいとばかり強いのだ。少なくとも、集中してないと俺が攻撃を避けられない程度には。
すう、と俺は深呼吸をし、頭を冷静に保つ。クールになれ。クールになるんだ。まず、あの悪魔を倒す。そしてその後見えそうラニを美味しくいただく。それがベストだ。そうすればあの美味しそうな太ももも触り放題。なんの問題もない白。
……!? 今、見え
俺は再び、宙を舞った。
本文中より抜粋 抜粋文とイラストは一致しない場合があります。
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