なんにせよクラウディアは涙ながらに苦悶にのたうつばかりだった。世に言う快楽などあるはずもなく、まさにひとつの苦行でしかない。せめて人間相手ならまだしも唾棄すべき亜人による強姦という点も、女としての精神と肉体を一際激しく苛んでいた。
「あうっくうぅ、ぐるじいいっっ〜〜ッッ!」
「そうか苦しいか、私の方は心地良いがなぁ。小さな粒のあるぷるぷるのヒダ肉がちんぽによく擦れて堪らんわ」
喘ぐようにして空気を吸いこむクラウディアに、ゲルドロリックスは牙持つ口端をあげ、余裕と愉悦たっぷりに言う。
「お前の身体の価値を、誰より分かっているのは私だ……!」
「あうっぐううっ、何を、戯言をっ、ひぐっ、うううッ!」
「その私に犯されるのだ、──感謝しろ!」
「ぐひいッああああアアッ!」
巨根が二度三度と大きく振りぬかれ拳大の亀頭が子宮ごと膣底を荒々しく打つ。ひび割れるような苦痛が走り、広がる腰骨が鋭く軋み、ずんと膨張した下腹の奥に焼きごてを思わせる灼熱が駆け巡る。
「ううッぐぐ……やめっ、きひいぃィ……!」
(ごめんなさいアレク、ごめ……あなたに初めてをあげられなく、て……)
歯を軋ませて必死に耐えながら、クラウディアはひたすら胸中で彼に詫び続けた。密かに夢見た甘い初夜は脆くも叶わぬ夢へと堕ちた。今後彼に抱かれるたびに此度の件が心を苛むだろう。想い想われる仲と知りながら手をこまねいていたこれまでの過去が、今となってはなんとも無念に思えてきてならない。
かくなるうえは無心でただただ耐えるのみ。この苦痛に、この悲しみに。それだけがプライドであり、彼への唯一心だけの操であった。
が──
「うぐっぐううっ、ぇ──な、何を……ッ?」
文字通り拷問に耐えていた矢先、不意にオークの太い指が膨れた下腹に触れていた。
術技に秀でた彼女になら分かる。これは魔法だ、それも極めて高等な独自編成魔法だ。
こんな術式は見たことがなく、クラウディアはそちらに意識を取られる。
「何をした、一体……!?」
「苦痛を和らげる魔法だ。随分と苦しそうなのでな」
ゲルドロリックスは腰を止めぬまま慈悲を与える王のごとき調子で答えた。
「悦べ、すぐに気持ち良くなれるぞ。私は他の奴らと違って慈悲深い性質だからな」
「余計なことを、ぐぐっ、貴様との行為など不快で充分だっ!」
クラウディアはふうふうと息を荒らげたまま背後の亜人を睨みつけた。
本文中より抜粋 抜粋文とイラストは一致しない場合があります。 ※挿絵はWeb用に修正を強くしてあります。
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