「あ、あ、あ、おかしい、おかしいわ」
「何がだ?」
「こんな、お尻でなんて……どうして」
尻穴で快楽を得てしまっていることに戸惑う吸血姫。それを聞いた詠司はクスリと笑って腰を止めた。
「尻穴が気持ちいいのが、そんなに不思議なのか? お前が尻穴で感じる変態だっていうだけのことじゃないか?」
「ち、違うわ……私は変態なんかじゃ!」
「それなら、どうして腰を振ってるんだ? 俺はもう動かしていないぞ?」
「あ……」
詠司の言う通り彼は腰を動かしていない。動いているのはノワールの方だ。いつの間にか、彼女は自ら腰を振って快楽を貪っている。その事実を自覚しながら、それでも彼女は腰を止めることが出来なかった。
なお、実際のところ彼女が感じてしまっているのは別に肛虐趣味というわけではない。詠司の男根から出ている先走り汁に含まれた魔力にあてられてしまっているだけである。彼のそれは精液そのものよりは薄いものの血と同じように魔力を含んでおり、吸血鬼を悦楽へと陥れる。
しかし、彼女はそのことに気付いていないため、自分が尻穴で感じる変態になってしまったと本気で考えてしまっていた。
「止められない、止められないのよ。こんな、こんなの恥ずかしいのに。お尻……お尻が気持ちいいの……」
本文中より抜粋
抜粋文とイラストは一致しない場合があります。 ※挿絵イラストはWeb用に修正してあります。
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