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白の烙印
小説:綾守竜樹 挿絵:柴刃俊郎
 
「汝の夢と引きかえに、汝の悪夢を叶えよう」
魔族の餌食となる騎士と司祭。
絡みつく触手の群れが、
身体に牝の悦びを焼きつける。
 
白の烙印
あらすじ
淫夢より生まれる魔族を討つ聖鏡騎士団。
若き騎士見習いアリスは、処女皇帝アーデルハイドによりその一員として叙任される。
使命感に燃える彼女は、高慢な女司祭ヒルダとともに辺境領に向かうが、それは彼女自身の淫夢の幕開きとなるのだった……。
突如、二人の目の前で魔族に変貌する領主たち。
おぞましい触手の塊と化した男たちは貞潔な司祭を捕らえ、その股座へ牡に屈服する悦びを教え込んでいく。
誇りをうち捨てて肉槍をくわえ込むヒルダの姿に、アリスはただ身を震わせるのみ……。
『二次元ドリームマガジン』好評連載作品を加筆・修正し、描きおろしイラストを加えて単行本化。
――女騎士はその肉体をもって、魔族とその陰に潜む処女皇帝の秘密を知ることとなる。
 
二次元ドリームノベルズ111
発行:キルタイムコミュニケーション
ISBN4-86032-071-9 C0293
定価:本体890円+税
 
 
立ち読み
※Web公開用に修正を大きくしてあります。
 
「うふふ、黙り? ……ノインは余裕ねえ。ただ貫かれるだけじゃ物足りないみたいね」
  ルーティエが、再び指を鳴らした。天井の目が大きく見開かれ、触手たちの全身に妖しい痙攣が走りぬけた。
「……くぅ……い、いや……やめろ……」
  触手のあちこちに浮きだした筋が盛りあがり、決着の支度を始める。肉蛇たちの尖端が小刻みに震えて、あるものは唇から、あるものはただの裂け目から、伝いおちてきたものを噴きださせる。
「……ひーっ!」
「…………ッ!」
  大悪魔の精。それは淫夢の女王や周囲の異肉たちが吐きだすものとは違い、無数の悪夢を蒸留して作られた純粋なる魔の滴だった。誰かこれを吸いとっている者がいるらしく、エフィや自分たちにはなかなか回ってこない。
  だが、それだけに――。
「ひいっ、あ、熱い……ああ、熱いぃ……あぉ、お、おおぁ……」
「……ッ……ッ……ッ!」
  効く。
  この熱さ、この粘り、この臭い。
 ぶちまけられた頬が熱い。喉から胸の谷間にかけて流れおちていく感触がたまらない。湯気と一緒に吸いこまされる絶望の臭いが、脳の奥を狂わせる。

本文中より抜粋

抜粋文とイラストは一致しない場合があります。
 
 
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