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黒百合の館
小説:暮浪夕時 挿絵:ひねもすのたり
 
ガルデン邸に招かれた新たなメイド、マルチナ。
彼女を迎えたのは主と同僚の淫らな洗礼だった。
蹂躙されたその身体に、館主の息子が追い討ちをかける。
だが、彼女は少年を穏やかに迎え入れた。
その胸中に秘めた目的のために。
 
黒百合の館
あらすじ
黒い噂の絶えないガルデン邸。

そんな洋館に新しいメイドがやってきた。
髪を後ろでまとめ、甲斐甲斐しく働く、彼女の名はマルチナ。
しかし、館主ヨゼフの下で働くことは、淫靡な意味も含んでいた。
夜ごと肉の奉仕を強要されるメイドたち。彼女とて例外ではなく、新たな肉欲の給仕が誕生したかにみえた…だが、瞳の光は失われない。
彼女には果たすべき目的があったのだ。
その手始めとして、主の息子フランツを己の虜とするマルチナ。
だが、少年の純粋さは彼女の心を揺さぶり、すべてを知るヨゼフはふたりへの制裁を企む。

背徳の宴で晒されるマルチナとフランツの恥態。かつての同僚と父による陵辱に、ふたりの心は潰えてしまうのか……。
 
二次元ドリームノベルズ055
発行:キルタイムコミュニケーション
ISBN4-89637-083-X C0293
定価:本体890円+税
 
立ち読み
※Web公開用に修正を大きくしてあります。
 

「どうだ、気分は? 正直に言ってみろ」

「くっ……」

こんな状況に置かれて、気分も何もありはしない。
なぜだか熱が出てきたようで、頭がやたらにぐらぐらしてきていたが、それでも歯を食い縛って、マルチナは問いかけを黙殺しようとした――  と、無骨な掌が、マルチナの下腹に押し当てられた。

「どうした、そんなに鞭が欲しいのか
こうされるだけでも楽しめるとは思うが」

たっぷりと注がれたせいで傍目にもやや膨満して見えるお腹をじわじわと押しこんで、マルチナが苦しげに眉根を寄せたところで、掌を離す――  重たいお腹の内側が、たぽん、と揺すられる感触。

(うっ……が、我慢しなきゃ、でもっ……!)
つまらぬ意地は、取り返しのつかない失態を招く……
たった一度の動作が、マルチナにそう教えていた。
「言います、言いますからっ……お腹が、その、張ってしまって……」
「それだけではなかろう?」
マルチナが早くも脂汗を浮かべているのは、ごまかしようもない。
虚勢など、何の意味もありはしなかった。
「……熱くて、気持ち悪い、です……」

本文中より抜粋

抜粋文とイラストは一致しない場合があります。

 
 
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