「お、おい……ウソだろ、あれってホーリーハートじゃないのか」
「こんなところでオナニーって、なに考えてんだ……」
街の真中で公開オナニーすることでホーリーハートの面子を潰してやろうという、ナナコの作戦だった。それに淫魔である彼女自身、前から大勢の前でオナニーをして人々を困らせてみたいと思ってもいた。夏の日差しではなく、たくさんの視線で身を焼かれているような感覚がして、早くも呼吸が荒くなる。
(なんか熱い……みんな、アタシのオナニー見てるぅ……)
人の身体であることをいいことに、彼女は見られているのにも構わず喘いだ。真下に車が通るたび、ナース帽から垂れたリボンと茶髪を揺らして、逆さになった前垂れで額を打つ。まだ秘部を本格的にまさぐってはいないが、表情はすでに羞恥と姿勢の辛さで汗ばんでいる。
「はあ……み、見て……ホーリーハートの、ォナニ……」
彼女はパンティの股布から五指を食み出させた右手で、男性に向かって手招きした。四方から視線を向けられ逃げ場のない空間で、自ら女性器を愛撫することで得られる歪んだ快感。女性は信じられないという顔で自分を見ていたが、淫魔の精神は屈辱よりも、常人にはできないことをしているという優越感に浸ることができた。
「あん、どお……? アンタも……はあっ、一緒に……しない?」
本文中より抜粋
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