何かが聞こえてきた。きぃんと──細く強靱な、糸のような音。
「な……なに、これ……?」
その糸が耳孔へ侵入して、脳に絡みついてくる。脳神経の一本一本が、糸に置換されてゆくようだ。
頭の中に声が響く。
怪人との戦いで消費したエネルギーを、補充しなければならない──と。
その方法は、方法は──なんだっけ。
ああ、そうだ。
ルナは一人の男に歩み寄る。
彼は──周囲の人たちは、立ち去ろうとしてまた踵を返したルナにきょとんとしていた。
男の足下に、しゃがみ込む。
「ど、どうしたの、ルナちゃん? ……う、うわぁあああっ!?」
ルナの右手は彼のズボンを掴むやぐいと押し下げたのだ。
頓狂な悲鳴を上げて男は離れようとするが、サテライトフォームによる筋力増強の恩恵を受けているルナから逃げることはできない。
下着を、膝のところまで脱がす。
するとぽろんとまろび出る、肌の色をしたソーセージのような肉塊──。
「きぁあっ! 何してるのこの子ッ」
「ど、どういうつもりなんだいっ!」
周囲から降り注ぐ疑惑の声。いったい何をそんなに騒いでいるのだろうか。
「え……? どういうっ、て?」
戸惑うようにルナは小首を傾げて。
「あなたの精液で、エネルギーの補充をするだけだよ?」
ぱくんっと、男のペニスを躊躇なくくわえ込んだのだ。
「うっ、うおぉおおおっ!?」
美少女戦士の口腔に分身を包まれた男が声を上げる。肉根は口の中でたちまちに大きくなって、幼げな唇をまん丸と広げてゆく。
「ん〜〜」
鼻息を漏らすルナは嬉しげである。
びくん、びくんと震える肉茎。舌を伸ばしてそれにずちゅると這わせる。
「ふぉおっ!?」と呻く男の腰が揺れ、
頬肉をずろりと撫でた。
(あ……口の中が、あったかい……)
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