「が、我慢……できる? メグ……」
「う……うん……」
掌越しに言葉を交わし、泣き出しそうな顔で頷き合うふたり。
尻穴を穿られるのは気持ち悪いが、処女を穢されないのはわずかな救いだ。一方、鬼に捕まれば陵辱の限りを尽くされるのは確実。
選択の余地はない。
蟲に耐えるしかない。
(脱出すればいい、鬼に見つからなければいい……お、お尻だけなら、我慢、できる……!)
そう考え、震える唇を噛んでジッと耐える少女たちの尻穴に──。
にゅる、にゅにゅ……ぬぬっ!
ぬちゅり、くちゅり、にちゅ……。
いやらしくうねる触手が殺到する。丸い先端を震わせて、強張る括約筋を揉み解し始める。
「く……うぅッ!」
意思の力を総動員し、必死に肛門を締めるエンマ。
四方八方から這い寄ってきた冷たく細い感触は、目的の穴に入り込めないと知ると、まるで地団駄を踏むように激しく悶え始めた。
(や、やだ……やだやだ、穢い、恥ずかしい……気持ち、悪いッ!)
鬼に犯されるよりはマシ、と覚悟を決めたはずなのに、予想以上のおぞましさに乙女心が悲鳴を上げる。
必死に締めている尻穴に丸い先端がいくつもいくつも押し当てられ、菊の蕾のような細かな皺をキュッキュ、キュッキュッ、としごかれる。穴にまで辿り着けない触手たちはショーツの下にひしめきながら、尺取り虫のように伸縮してエンマの尻肌を揉みまくる。
(多いとは思っていた、けど……いったい何本、あるのよぉ……ッ!)
ハチミツが絡みついた赤ん坊の指で、滅多矢鱈に撫でまくられ、穿られているような──冷たく濡れた死者の舌に群がられ、執拗に舐めまくられているような──。
緊張した頬に涙がこぼれる。喉の奥から掠れた悲鳴が迫り上がり、わななく唇から溢れそうになる。
震える肩を並べ、おぞましい触手蟲に尻穴を穿られながら、必死に恥辱に耐えている少女たちの前に──。
「いつの間に追い越したんだ? 全然気づかなかったぞ!」
「あいつら、魔法使いの卵だ。目眩ましを使ったんだろう」
濁声で言い交わす鬼たちが、足音を響かせながら戻ってきた。そのまま行き過ぎてしまえばいいのに──。
「さっき言っただろ? この辺の匂いが一番濃いんだよ!」
先ほどのコボルトが足を踏み鳴らしつつ、甲高い声で喚き立てる。
(お願い、止まらないで! そのまま行っちゃって……!)
エンマの祈りは鬼たちに届かず──。
「おい、見ろよコレ。魔法使いのスティックじゃないのか?」
「この辺りで転けたのか? その辺の窪みに隠れているんじゃないか?」
メグが落としたスティックを見つけ、完全に足を止める鬼の集団。
それでも、身隠しのマントを被っていれば絶対に見つからないが──。
(……ッ!? あ、ああダメ……は、入ってくる……やだ、やだ……入ってきちゃ、うぅ……ッ!)
激しくくねる触手の先端が、ついにエンマの尻穴をこじ開けた。
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