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マザーの液体に濡れた途端、クロッチ部分がドロドロに溶けた。秘部が剥き出しとなる。
「く、や、やめろっ! は、放せっ!! 放せぇっ!」
必死にもがく。だが、マザーの力は聖換天使を凌駕していた。
ぬじゅっ、くじゅるぅっ!
「んくっ! ひっ──い、いやっ! いやぁ!!」
肉触手の先端部が膣口に触れる。伝わってくるのは人間の拳程の太さをもった不気味な肉の塊の生温かな熱気だった。
「や、やめ──やめて……。そ、それだけは……」
化け物に犯される。考えるだけで血の気が引いた。敵に対して懇願するような言葉まで向けてしまう。
しかし、化け物には届かない。マザーはなんの躊躇もなく、肉壁を左右に押し開いてきた。
「くっひ! あっ、んんんんん」
(は、挿入ってくる。こんな、こんな奴が、わ、私を犯してる……)
下腹部に広がる異物感。
「は、はなっせ! こ、この! このぉおおお!!」
聖換天使としての能力を解放する。通常のEPであれば触れるだけで消滅しそうなほどの力だった。
ぶぐじゅっ、じゅぶぐるぅ。
「んっ、くっ──あっ、あっあっ。お、おっく、奥まで、奥までくっる。お、犯される。おひぃい!!」
だが、マザーには通じない。確かに力は発動した。発動したはずなのに──敵の能力によってすべてなかったことにされてしまった。
『あちゃー。こりゃ駄目だぁ。何をしてもキャンセルされちゃってる。こ、こりゃ、かか、勝ち目はないねぇ。人類はおしまいかなぁ』
他人事みたいに呟く絹川の声が耳に届く。相変わらず気にくわない態度だった。
(で、でも……。どうすればいいの? こ、こんなの──くひっ、なっか、膣中で蠢いてる。おっおっ、ち、力が抜ける。か、感じてしまうぅっ!!)
しかし、絹川に対して何もいうことができない。実際肉体は性感を覚えてしまっている。
快楽を覚えてしまっている状態で、マザーに対抗する術などなかった。それに、何をしたってすべて“なかったこと”にされてしまう。聖換天使が惑星を動かすほどの攻撃力を持っていたとしても、攻撃自体を消し去られてしまえば意味はないのだ。
ぐじゅっるっ、じゅぶずぅ。
「お、大きい。ふっひ、おっ、ふほぉ!! な、なんで? ば、化け物なのに、ど、どうしてこんなにか、感じちゃうのよぉ! おっおっ、ひぁああ!!」
蜜壷を肉触手が蹂躙してくる。不気味な肉胴で膣壁を擦り上げられると、愉悦が走った。肉悦を知っている肉体は、相手が化け物であっても感じてしまう。自分の身体が酷く汚れている様に思えた。 |
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