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聖換天使エクスラグナ
小説:上田ながの 挿絵:雛森瑞羽
 

 聴診器を伸ばしてくる。それがピトリッと胸に押し当てられた。
「んっ」
 気色悪い男が乳房に触れる。本来ならば決してあってはならないことだったが、黙ってこれに耐えた。顔からは一切の表情を消す。
「ドクドクって音が聞こえるよ。き、緊張してるのかな? 今更触られて緊張する必要なんてないよぉ」
 上目遣いで尋ねてくる。心底不愉快だったが、どこまでも無表情を押し通す。反応を見せてもこの男を喜ばせるだけだからだ。
「や、柔らかいなぁ。おっぱいに聴診器が沈んでいくよ。タプタプだぁ。ウェヒ、いい弾力感だよ」
 ムニュッムニュッと押されるたびに、大きな乳房は簡単に形を変えた。大きさ、形共に自慢の乳房ではあったけれど、こういう時だけは自分の胸を恨んでしまう。
「も、もういいんじゃない? 分かったでしょ?」
 触れられているだけで身体が腐ってしまうのではないかとさえ思えた。
 屈辱に身体を僅かに震わせながら、声をかける。
「も、もう少しくらいいいじゃない」
ニタリッと笑いながら唇を舌で舐める。ただひたすら気色悪い。
 そのまま男は診断を中断することなく、更に聴診器で乳房を弄り回してきた。
 器具が極光の上から乳輪部分を撫でる。かと思うと乳頭に聴診器を当て、転がすように動かしてきた。ツンッツンッと突かれると、ピリッとした刺激が走る。時折ヒクッと身体が震えた。
「あれ? もも、もしかして感じたの?」
 この反応を見て本当に嬉しそうな表情を絹川は浮かべる。不快感が増した。
「そんなわけないでしょ」
 自然と冷たい言葉を返してしまう。挑発に対して反応するなどこいつを喜ばせるだけでしかないと分かっていたけれど、否定せずにはいられなかった。
「嘘は無駄だよ。だ、だって乳首が勃起してるし」
 ポチッと衣装の胸部分が膨らんでいる。言葉どおり乳首は勃起してしまっていた。散々刺激されたのだから仕方がない。
「ただの生理現象よ」
 事実を一言だけ短く答える。
「生理現象? ふ〜ん、本当かなぁ?」
 これに対して絹川は薄笑いを浮かべながら、聴診器を使って更に重点的に乳首を責めてきた。
 
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