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「はうッ!? く……うぅ……け、穢らわ、しい……ッ!」
気持ち悪い蟲に繊細な粘膜を舐められている──膨れ上がる嫌悪に気が遠くなりそうなのに、しかしそれだけではなかった。
(なぜっ!? どうして……蟲なのに、蟲なのに……あ、うっ!? ああ!)
這い込んできたのが一匹だけなら、おぞましさしか覚えなかったかもしれない。責められたのが淫唇だけなら、漏れるのは悲鳴だけだっただろう。
だがそれは二つ三つ、八つ九つと数を増やし、柔肉の畝を掻き分けて競うように潜り込んできた。
無数の脚が淫核を踏み潰し、稲光のような快美感を次から次へと産みつけてくる。棒状のプリプリした身体をぶつけ合いながらクサビ状の頭部をつき合わせ、紗耶香の淫唇に筆状の口吻をせっせと擦りつけてくる。
(き、気持ちよくなんて、ない……蟲なのよ、蟲なのよ、これは!)
己の心に懸命に言い聞かせていないと、わななく唇から恥ずかしい声が漏れてしまいそうだ。
さらに──。
「うっ!? あ……くヒぅッ!? む、胸に……もッ!?」
(な……なんていやらしい、蟲!)
噛み締めた奥歯を軋ませ、溢れそうになった恥ずかしい声をなんとかこらえたのに──
「うぅ……ふ、うぅっ!」
今度は淫核に鋭い痛み。
普通の甲虫にはない器官──口吻の左右に張り出した大顎が、紗耶香の快楽局点を甘噛みしているのだ。
尖った先は繊細な粘膜に喰い込み、ただでさえ敏感な肉豆に淫毒を注入する。感度が異常に高められ、
「き……ひ、うぅ……ッ!」
文机に仰向けに縛りつけられた細い身体が鋭く捩れた。
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