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(こ、これが……って、あたし、なんでこんな、見入って……んぐっ、うぅっ……)
ツンと鼻を突く不快な臭いは、これまでに嗅いだこともない生臭さだった。見た目の凶悪さも耐えがたいが、先端のぬめりやこの臭い、そのすべてが生理的な嫌悪感を煽ってくる。鼻と目を犯されているような、最低の気分にさせられる。
(なによ、これっ……臭くてグロくてっ……不潔すぎ、よぉ……んはっ、あぁ……)
心の中で思いつくまま、目の前の男根を罵るように叫ぶ。けれど、なぜか口内には唾液が溢れ、開かれた唇の端から滝のように流れ落ちてゆく。
(な、なに……なん、か……変よぉ……)
おかしい――身体が熱くて力が入らない、視線が吸い寄せられて動いてくれない。意識してないのに鼻がヒクついて、濃厚な牡臭をもっと堪能したいと言わんばかりに、大きく呼吸してしまう。
「ふぁっ、はぁぁ……んぁっ、くっ、ふぅ……ぅん」
唇から垂らした舌がフルフルと揺れる。呼吸は荒くなり、心臓が張り裂けそうなくらい鼓動が激しい。艶っぽく細められた瞳は、微かに潤んでさえいる。
(いやっ、なんで……あたし、嫌なの……に、この、臭いがぁ……はぅっ、んふぅ……)
スンッ……と小さく鼻が鳴り、その濃厚な香りにくすぐられ、汗に塗れた全身が小さく跳ねた。押し寄せる身体の火照りに耐え、理央は両手でスカートの裾をキュッと握り、小刻みに震えながら、湧き上がる疼きを懸命に抑え込もうとする。
「ほら、舐めたいでしょ? 遠慮しないでいいよ」
「そ、んな、わへぇ……なひ……んはっ、あぁ……」
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