この最後の戦いの中で、武装聖女の中から新たな聖母が見いだされると教義には伝承されている。
アルトレッタは自分が聖母であるとは思えなかったが、教えを守り正しき世を作るためならこの苦しみに耐え抜く覚悟があった。
自分のように、あの少女のように、人々が姦淫に苦しめられることなき新しい時代のために──
だが、こうして夜になると疼きのせいで心が揺らぐ。
(ああ、レジーナ様……もっと、う、ううっ……もっと奥まで……どうか……)
胸の谷間を撫ぜていくだけの軽い往復、それがもどかしい。
その次は服の上から乳房の下側をゆっくりとなぞるように。
(う……ううっ、もっと、もっと……激しく……!)
切なさが身体の中で暴れ狂い、鎖がじゃらじゃらと音を立てる。
触れて欲しい。この甘い陶酔の先に待つ気持ち良さを教えて欲しい。
欲望を口に出すわけにはいかない。そんなことを口走れば、姉とも母とも慕うレジーナを失望させてしまうだろう。だからいつも、疼き疲れて眠るまで、ただひたすらに耐えるのだった。
だが、今夜は違った。レジーナの指先の通り過ぎたあとがやけに火照る。
行為自体は毎夜と変わらないのにどうしたことか。
「あ、ああっ……だ、駄目です。おかしくなる……敏感に、敏感になっているんです! 凄く熱くて、んぅっ……んはあっ! こっ、このままじゃ……」
アルトレッタは息を荒らげて懇願の眼差しを送った。
手を止めて欲しいのか続けて欲しいのか、自分でももうわからない。清純なる修道院長には、このように淫らな衝動など想像もつかないだろう。
聖水の行はそのまま進み、残された最後、女の秘所を清浄にすべくショーツを濡らしていく。
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