「あぐっ、あ──ああうっ! あはっ、あ、ああ──っ!」
くすぐり責めは容赦なく、そして間断なく続いた。相手が人間であれば疲れて手を止めることもあるだろうが、触手にそんな理屈は通用しない。御主人様が止めない限り、いつまでも同じ動きを繰り返す。
(だめ……声が、出る……! 我慢なんて全然、できない……っ)
口の端からだらだらと涎を零しながら、イブキは腕を下ろそうと足掻いた。触手に責められている場所はどこも極めてくすぐったいが、中でも腋の窪みは特に辛い。
全身を同時にくすぐられた経験がなかったので──ある方が珍しいが──初めて知ったが、どうも自分は腋が弱点のようだった。敏感さが他とは違いすぎる。
「……あら」
と、シオンがにやにやと意地の悪い笑みを浮かべながら、そっとイブキの顔を覗き込んできた。それから彼女は舌なめずりをして、囁きかけてくる。
「腕を下ろしたがってるわね。腋が弱点なの? じゃあ……ふふ。腋だけたくさんいじめてあげる」
「な──」
絶望的な言葉に、声を上げることすら忘れて目を見開く。そしてその瞬間、腋を責めていた触手だけを残して、くすぐり責めが停止した。と──
ぐしゅっ、ぐちゅるっ。くしゅくしゅくしゅくしゅくしゅ……。
「きゃひぃぃぃぃぃぃっ! あっ、ああっ! だめ、腋、だめっ。ああっ、ああ──っ!」
|