「貴女は私の奴隷です。奴隷として……今晩の伽を命じます」
「どいて、ダメだから! お姫様っ! レインッ!!」
伽──言葉の意味は知っている。思わず名前まで呼んでしまった。
するとレインはピクッと眉根をはねるように動かした。同時に動き出す。愛の言葉など完全に無視して、剥き出しになった胸へと顔を寄せてきた。
「んちゅっ」
そのまま乳首にキスをしてくる。
「んっ!」
唇の柔らかな感触が乳頭に伝わってきた。それと共に甘く痺れるような刺激が走る。反射的に愛はビクンッと全身を震わせ、声を上げた。眉根にも皺を寄せる。レインはそんな愛の顔を乳首に唇を密着させたまま上目遣いで観察してきた。その上で──
「んっちゅ……ちゅっちゅっ……。んちゅうっ」
更に乳首にキスをしてくる。それも一度だけではない。二度、三度、四度──餌を啄む小鳥のように、幾度も幾度も口付けしてきた。しかも、行為は口付けだけでは終わらない。レインは舌を伸ばしてくる。繰り返された口付けによって僅かだけれど痼り始めた乳頭を、舌でレロッと舐めてきた。
「だ……駄目だって……んっ……それっ……んんんっ」
途端に胸にキスをされた時以上の刺激が走る。なんだか身体が蕩けてしまいそうな愉悦を含んだ感覚だった。声を抑えることができない。再び愛は啼き声を上げる。
(これ……嘘でしょ? 舐められてる。お姫様に身体を……。こんなの嘘だよね?)
と、心の中では思うけれど、紛れもなく現実だ。
王女は更に舌をくねらせてきた。乳首を転がすように舌先で刺激してくる。しかも、愛撫は舌だけでは終わらない。再び乳首に唇を密着させてきたかと思うと「んちゅっ」と咥えるなんてことまで行ってきた。そのままチュウチュウと吸い立ててくる。
「あっ! 胸……吸って……くっ……ンッ! こんなの恥ずかしい。恥ずかしいから……レイン……やめっ! はふうっ」
どんな言葉を向けてもレインは止まらない。それどころか更に激しく胸を吸ってくる。するとその激しさに比例するように、肉体に刻まれる心地よさを伴った刺激も、より大きなものに変わっていった。
(なにこれ? あたし知らない。こんなの知らないよ。胸……こんな……んんんっ……こんな感覚……)
本文中より抜粋
抜粋文とイラストは一致しない場合があります。
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