「はうッ、ンあっ!!」
お尻がキュッと強張った。腰が引けて爪先立ちになる。そこは、なんだかデリケートそうで触るのが怖くて、数回しかないオナニー経験の中でも、ほとんど未知と言っていい領域。でも彼女の舌の柔らかさが、そのためらいを取り払った。底の方まで招き入れると、痺れるような、それでいて蕩けるような不可解な快感が、真桜を激しく翻弄する。
「すご……! それ……すごい……っ!」
過敏な反応を見せて気持ちよさを伝えると、奮起したのか、それとも腹が立ったのか、怜那の動きが大胆になった。舌先を素早く振動させ、粘膜を擦り上げる。
「ふむ、む、むぅん、むぅぅぅっ!」
ハンカチを噛んでいるのに、喘ぎ声が抑えられない。膝もガクガク大きく震える。さっき漫画を読んだ時も緊張で指が震えたけれど、それとはまったく異質な感覚で、まるで感電したように手足が強張っている。
(気持ちいいっていうか……こ、怖い……!)
しかも、舌が一定のリズムを刻み始めた。愛撫の経験なんてないと言っていた怜那だけど、さすがにエッチな本を読んでいるだけのことはある。テクニックは皆無でも、それを知識で補い、強弱をつけた動きで真桜を責め立てる。
「ちゅ、ちゅ、れろれろ、ちゅっ」
「んあっ! あ、あ、はぁぁぁ……あ、あ、あぁぁ……」
卑猥なキスに昂ぶって、全身の力がコントロールできない。左手に持った本を何度も落としそうになり、必死になって胸に抱える。無意識のうちに広げた左脚を、怜那の肩に乗せていた。その脚で彼女を抱き寄せ、自分の身体の奥へ奥へと舌をいざなう。しかしわずかに抵抗を感じたので、右手も使って頭を押さえ込んだ。
本文中より抜粋
抜粋文とイラストは一致しない場合があります。
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