「ひゃ……あっ!? ば、ばか。何……くふっ、うぅぅんっ!」 ──づぞるるるるっ!! 彼女がきっと顔中真っ赤にして恥ずかしがるであろうとわかっていて、わざと盛大な音を立て、啜り上げてやった。 皐月の声の響きがさらに一段。とろみと熱っぽさを増し、顔面上を這いずる尻の動きもより活発に、遠慮をなくして大胆に前後、左右にくねり始める。 (どうだ、これでおあいこ……っぬぅぉぁ!?) 勝てないまでも相打ちには持ち込めそうだと、安心して腹から力を抜き、快感に身をゆだねかけたのが、よくなかった。 そのタイミングをまるで狙っていたかのように、皐月は次なる手を打ち出してくる。 「れるっ……ん……っ! 負け、ないんだからぁっ」 ぽた、ぼたっ……にちゅにちゅにちゅっ! ついさっき亀頭とキスした唇から、唾液が滴り、たっぷり幹に降り注ぎ。ニチャニチャネチャネチャと淫猥な音色ごと、隅々まで粘り気がすり込まれていった。 「……っふァ……〜〜〜ッッ!」 思わず漏れ出かけた女みたいに上ずる裏声を、どうにかこうにか噛み締めた唇の奥にとどめるので精一杯だ。唾と一緒に飲み下した甘美の証は、熱をこもらせたまま胃を下り、腹の底に溜まり積もって、一気に、針を刺された風船のごとく破裂する。 「はぷ……ちゅ……っ!」 とどめとばかりに、唾液をたらしたばかりの皐月の舌が今度は股の付け根あたりを這い進み、腿に繰り返しキスの雨を浴びせられる。
本文中より抜粋 抜粋文とイラストは一致しない場合があります。 ※挿絵イラストはWeb用に修正してあります。
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