「あがァッ!! こ、このっ!! 私の、私の中から……出ていきなさい……この変態犬ッ!!」
眩暈がするような屈辱と恥辱に耐え、おぞましい感覚に耐え、ファリスは拘束を振り払おうとする。だがわずかな身じろぎですら、貫かれたばかりのアヌスから跳ねかえる鈍痛を呼び起こし、全身を硬直させた。
「くぅァあああぁぁ〜〜〜〜〜〜っ!!」
漆黒の魔獣によって、もうこの穴は自分のモノとでも言うように、尻に強烈な一突きをお見舞いされ、甲高い悲鳴を上げさせられる。パチンとお尻に平手を見舞われたような甲高い音が響き、尾骨の端をハンマーで殴られたかのような鈍い衝撃が頭蓋の天辺まで突き抜けた。頭の中で真っ赤な火花がいくつも飛び散り、意識が白濁の海に引きずり込まれる。
「ガハハッ、勇者様がいいざまだな。おら、この俺様のイチモツでも咥えてもらおうか?」
よりによって獣に蹂躙されるファリスに対し溜飲を下げたのか。将軍は、嗜虐的な笑みを浮かべ、魔獣に押さえ込まれた勇者を見下す。さらに欲望にぎらつく瞳でファリスの姿を舐めまわし、とんでもない提案をした。己の欲望に猛る肉棒をその形よい鼻先に突きつける。すえた精臭が鼻を突き、黒光りするグロテスクな性器を前に吐き気さえ催した。
「なっ!? しょ、正気……ですか。あっ、ぐううぅぅっ!!」
その言葉を合図としたかのように魔獣はようやく動きを止め、辛うじて荒い息をつきながらファリスは這いつくばったまま男を見上げる。この男は自分の秘密を知っているのか? いや。仮にそうだとしても未だジリジリと火傷をしたような痛みを発する尻穴は獣に貫かれたまま、その状態で淫行に参加しようとする男の正気を疑う。
「ぐふふふふっ、いい姿だぜ。」
だが目の前でそそり立つ男の性器は興奮と欲望にガチガチに硬直し、不気味に脈動している。この男が獣に犯される自分を見て欲情していることは間違いなかった。美しく高貴な存在を、貶め汚すことを至上の喜びとするこの男にとって、ファリスの性別やその背後でファリスを犯す獣との同伴など何の問題にもならない。
本文中より抜粋
抜粋文とイラストは一致しない場合があります。
※挿絵はWeb用に修正を強くしてあります。 |