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氷聖の魔法少女フロージア
小説:水雲風騎 挿絵:イチナ

 

 狙い通り、氷の刃は深部まで達した。
 が、そこで想定外のことがおこる。レイピアの刀身がぐにゃりと溶けて、流れ落ちていく。
「ど、どういうこと!? きゃあっ!?」
 驚く間もなく、怪物の傷口から粘液が噴出する。武器を溶かされた動揺から足を止めてしまったフロージアは避けることができず、まともに浴びてしまう。
「うぇ、ぺっぺっ。な、なにこれぇ」
 なんと粘液を浴びたところから、フロージアのコスチュームがレイピア同様に溶け落ち始めていた。
 特に大量に浴びた前面の損傷が激しく、慎ましやかな胸部が露わになる。
「きゃぁっ!? な、なにこれ!? わ、わたしの、フロージアのコスチュームが溶けてる!?」
 楚々とした膨らみは若さ故のハリによってツンとやや上向きとなり、その先端の桜桃は薄いピンクに色づいていた。
「み、見ないで……変態っ。女の子の服を溶かして喜ぶなんて……最低だわ」
 人目に触れてはならぬ乙女の象徴を必死で手で隠し、羞恥に顔を赤く染めるフロージア。
 その姿には勇敢な戦士としてよりも、10代の少女舞雪が強く出てしまっていた。
「うひょおっ、かわいいおっぱい丸見えだぜ。ちっちゃいけど、そこがまたたまらん」
「げへへ、きゃあ、だってよ。あのフロージアちゃんが、顔真っ赤にして恥ずかしがってるぜ。勃起もんだぁ」
「ぺったんこでも恥ずかしがることないぞ! それがいいんだ。なんなら揉んで育ててやろうか」
 半裸の状態を揶揄されてますます羞恥心を煽られる。
 胸を隠した不自然な姿勢と、視線を気にしてしまうために、少女の動きが明確に鈍くなる。
 再びレイピアを形成しようとしたその瞬間、今度は怪物の口が大きく開き、大量の粘液を吐き出した。
 今度こそとバックステップで避けるも、飛沫がかかった氷のエッジが溶けてしまった。
「きゃうっ!」
 無様に尻餅をついてしまったフロージアを、戦闘員たちが嘲笑する。
「おいおい、尻餅だなんてかっこ悪いぞ。正義のヒロインさんよぉ」
「へへ、そいつの体液は魔力を分解しちまうんだ。魔法少女の武器やコスチュームに一番効くんだよ」
「つるぺた魔法少女のストリップショーたまんねぇなぁ」
「あ、あなたたち……絶対後で許さないんだか──んぶぉおおおっ!」
 ヤジに反応してしまったフロージアの眼前に怪物の口がすぐそこまで迫っていた。悲鳴を上げる間もなく、上半身が呑みこまれる。
「ひぃっ! い、いやあああっ!」
 その気色悪さに声を失い、わなわなと震えて青ざめる。普段の冷静さなど霧散し、思考が真っ白に停滞する。
 魔獣の口内で待ち受けていたのは無数の舌であった。
 レオタード生地をしゃぶりながら、肋骨をなぞるように舌を這わせていく。鳩尾まで到達すると臍に吸いつき器用に舌先で咀嚼する。その間、右手はいとしげにしゃぶり尽くされ、左手は執拗に隅々まで舐め回された。
「ふぁあっ……やぁっ、くすぐった、はひぃんっ!」

 
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