──誰にも奪わせるつもりのなかった純潔を、今からこの油臭い粗末な機械に奪われる──
(恐れるもんか──)
汚される覚悟なんて、捕らえられた時からとうにできている。
アンナは意を決して、瞳を閉じたまま破瓜の瞬間を静かに待っていた──
「ふん、すました顔しやがって──」
上官の男が、アンナが目を瞑っているのをいいことに、手で合図をこっそりと出した。
「その顔がいつまでできるか──」
ガコンッ!
「っ──」
突如聞こえた音に、アンナは縛られた両腕で頭を抱え込み衝撃に備えたが、それよりも『紳士』の動きのほうがいくらか早かった。
ずぼおっっ!
「ぐっ、うぐぅぅっ……!」
楔が勢いよく撃ち込まれる。十分な質量が膣襞を一気に削ぐように進み、内臓の内側に直撃する凄まじい一撃。
まるで体内で爆発が起きたような衝撃に、アンナは思わず喉奥から苦悶の声を発してしまう。
(い、痛いっ──せ、性交がこれほどに苦痛なものだったなんて──)
しっかりと濡らしていたとはいえ、相手はとんでもない規格外。初経験で受け入れてはいけない大きさだ。
みちみち、という音が聞こえてきそうなほど、黒の剛直は限度を無視するかのように突き刺さっている。
こうして串刺しにされているそばから、ジンジンと、ヒリヒリとした痛みが、じわじわとアンナの全身を蝕んだ。
(け、気取られるなっ……! 苦痛を、恐怖をっ、気取られては──)
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