影月が指を鳴らした瞬間、再びスーツが触手へと変化した。無残に晒される乳首と秘所に向け、餌を貪るように襲いかかる。
(こ、これ! 前のよりも激しい!)
剥き出しにされた乳首に絡みつく色とりどりの繊毛が、勃起した乳首を取り囲んでその先端を押し付ける。
「ぃ、ぃっっっっっっ!」
ぬちっ! にゅちっ!
さらに分かれた触手が刷毛のように形を変え、ヒナタの膨らみに乳白色の粘液を広げていた。痛みはない。むしろくすぐったいような心地よさがある。乳頭への強い責めと刷毛による柔らかな愛撫。二つの刺激が混じり合い、ヒナタの神経を混乱させていく。
「先程のはほんの小手調べ。これからが本当の触手調教だ。気張るんだぞヒナタ。壊れてしまっては面白くない」
それだけ言い残し、影月は部屋から出ていった。
(あ、熱いっ! な、なにこれっ!?)
スーツが分泌する粘液。それは影月が開発した強烈な媚薬だった。一塗りすれば全身が発情し、二塗りすれば三日は疼きが止まらず、三塗りすれば全身に快感が染みついてそれ以外を考えられなくなってしまう。
「はっはひっ! ほっ! おほっ!」
全身が燃えるような感覚に包まれる。痛みは消え去り、空気の震えさえ快感に変換されてしまう。目の前がチカチカと明滅し、鼻の下を伸ばしてアホみたいな呼吸を漏らしてしまう。
(なにこれ! か、身体おかしい! 私の身体どうなっちゃったの!)
高熱が身体中に広がっていく。噴き出る汗はスーツの中で媚薬と混ざってヌルヌルのローションとなっていた。
「っ!? だ、だめええ!」
無言の誓いを破ってしまったのは、股間に迫る触手たちを見てしまったからだ。それらも刷毛のように形を変え、ねっとりとした雫をこれでもかと先端から垂らしている。
そこに塗られたら終わりだ。理屈ではなく、本能でそう察した。胸だけでこんなにも身体が感じてしまっているのだ。もしも最も敏感な部位に塗られてしまったら。
「んぐあああああああああっ!?」
べちゃああっ!
床に垂れ落ちるほどの媚薬を塗りたくられヒナタは目を剥いた。ドクンと跳ね上がる鼓動。高鳴る心臓が媚薬を身体中に拡散させる。
せり上がる快感の頂き。それを唇を噛んで必死に押し殺す。
『なんで我慢するの? 素直に気持ちよくなっちゃえばいいのに♪』
脳裏に響くもう一人の自分の声。まるで責めるようなその響きにヒナタは歯を食いしばりながら反論する。
(だって! 気持ちよくなったら負けちゃう! 負けちゃうからぁっ!)
『負けていいじゃない。だってこんなに気持ちいいんだよ? それが悪いことのはずがないじゃない』
(でも! これは影月の罠で! はひいいっ!? そ、そこは違うよぉ!)
ヒナタの臀部は丸く穴を開け、愛らしい窄まりを晒されていた。綺麗な皺を媚薬触手が撫でる。
「な、何するの? まさか! うそ! うそうそ! おひりいいいいっ!」
にゅっちゅっ! ぬちぃぃっ!
わずかな窄まり目指して触手共が殺到する。必死にアナルを閉ざすものの、乳首にマンコ、そして全身を撫で上げる快感にいつまでも力が保てない。
ぶるぶるとお尻が震える。そして乳首とクリトリスへの責めが奇跡的なタイミングでシンクロしたその瞬間、ヒナタのアナルから力が抜けた。
|