TOP >> 二次元ドリームマガジン78 >立ち読み「聖天炎姫アストレイア−マリア」
 
立ち読みページ
 
聖天炎姫アストレイア−マリア
小説:ヤミヨ 挿絵:ドブロッキィ
 

 ――何よ、コイツら……、ヌルヌルして気持ち悪い……ッ!
 むっちりとした腿に絡みつく無数の触手。まるで無数の舌に舐められているかのような、嫌な焦燥感がマリアを襲う。鳥肌が立ちそうなおぞましい感触に、変身少女は堪らず顔を顰めた。
 ――コイツら、さっきからいやらしい動きばっかり……。
 まるで乙女の肌を味見するように、何度も何度も細い肉紐が変身少女の太股を撫で回す。ゾクゾクッ! と身体を這い上がってくる焦燥感に身を震わせる捕らわれの守護天使。
「うぅっ、んんっ、んぐぅ〜」
 触手に拘束された両脚にチクリッ、と針で刺したような痛みが走る。突然のことに驚き、マリアはまた口から空気をこぼしてしまう。
 ――な、なに今の? ……さ、刺された? ひゃっ! ま、また……。
 さらにもう一度、今度はお尻と内股を針で刺された痛みが走った。マリアの集中力を乱すかのように、絶妙なタイミングでチクリ、と触手が変身少女の身体を触手に仕込まれた針で刺していく。
 ――こんなので私の集中力が乱されるわけ……。
 針で刺されたとは言え、痛みは一瞬である。この程度なら大したことない。マリアがそう高を括った途端、心臓が跳ね上がった。
 ――針で刺された箇所が……い、いや……身体が熱くなって……んンッ!?
 刺された箇所が熱を持ち始め、その熱は徐々に身体中へと広がっていく。しかも、それだけではない。熱く火照り始めた肌はどんどん敏感になり、守護天使を甘い肉悦が襲う。 ――おかしいわ、こ、こんなの……身体どんどん熱くなって、あうぅっ! コスチュームが擦れたところがむずむずする……ひぃいいいぃぃぃっ!
 鋭敏になった肌は、フィットスーツの裏地が擦れただけで悲鳴を上げた。それだけではない、感覚はどんどん鋭くなり、晒された肌を水流が撫でる度にむずむずと疼き出す。
「ヒヒッ、どうやら効いてきたみたいだな。身体が疼いて堪らなねえだろう? そいつの毒針には催淫効果があるんだよ! ヒャハハッ、今からもっともっと気持ち良くしてやるぜぇ〜ッ!」
 ――媚薬だなんて……、下衆な怪人の考えそうなこと……ね……うぅっ、こ、こんなの……ふうぅ……集中さえすればどうってこと……ぁあッ!
 怪人の卑劣な攻撃に、よりいっそう抵抗心を燃やすマリア。しかし、冷たい海水が肌を掠める度に、全身が愛撫されているような錯覚を覚え、身体が自然に震えた。
 感じない部分がどこにもなくて、守護天使からは抵抗する力を奪っていく。

 
前のページに戻る