「けへへへ……そ、そそそ……それじゃあ、まずはそいつらの服を、鎧を脱がせるんだな。牝共にはランクがある……くへへ……妊娠しやすい牝と、そうでない牝の二種類のな。だからま……まま、まずは品質チェックなんだなぁ」
そんな彼らにコスタルが命じる。男の言葉に兵達は明らかに不快そうな表情を浮かべつつも、フェリアの身体へと視線を向けてきた。
「な……ほ、本気ですか? や……やめなさい……それは……それだけはっ!!」
視線を向けられただけで分かってしまう。彼らが本気で男の命を実行しようとしていることを……。
裸にされる──考えるだけで全身が震えそうな程のおぞましさを感じてしまう。多くの男達の前で肌を晒すなど、あってはならないことだった。
「おい……そ……そんなことしてみろ! いくら仲間でも許さねぇぞ! ぶ……ぶっ殺すぞ!」
当然アルトを筆頭に──
「ボクに……ボクに触れるなぁ!」
「やめて……やめてぇえっ!」
他の騎士達も拒絶の声を上げ、抵抗を試みる。
しかし、薬の効果はどこまでも強力で──。
「あ……ああああっ!」
フェリアをはじめとする亜人騎士達は身に着けていた鎧を、騎士服を、魔導服を、あっさり引き千切られることとなってしまった。
「これが……フェリア様の身体……」
兵達が剥き出しになったフェリアの肌を見つめてくる。
「うっく……み……見ないでっ! 見ては……見てはいけません!!」
白い肌が剥き出しになる。カールラントにも見せたことのない形のよい乳房が晒される。キュッと引き締まった括れも、銀色の陰毛に隠された秘部も、男達の前に露わにされてしまう。
「……なんて美しいんだ……」
皆の視線が肌に突き刺さる。
(は……恥ずかしい……。恥ずかしすぎる……)
全身が燃え上がりそうな程の羞恥を感じた。
同時に──
(殿下……申し訳ありません……殿下……)
カールラントに対する罪悪感も覚えてしまう。
愛しい相手以外に肌を晒す──そのようなこと、絶対にあってはならないことだった。
「お願いです……もう……見ないでっ!!」
だから必死に訴える。訴えつつ、両手で身体を隠そうとする。しかし、男達は決してフェリアの肢体から視線を外してはくれないし、両腕の拘束も解いてはくれなかった。できることは尻尾で股間部を隠すことくらいである。
「暴れないで下さい。私達は……我が国の英雄である……あ、貴女に傷をつけたくはないのです」
「そうです。これは我が国の……ガブランドの為なのですから……だから、抵抗はしないで下さい」
羞恥に打ち震えるフェリアに向けられるのは気遣うような言葉。けれど彼らの視線から感じられる感情は、国の英雄である者に向けられるそれではなかった。 |