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スレイブドール
紅眼の女特務捜査官
小説:空蝉 挿絵:ぼっしぃ
 

「う、うぐっ! あ、ぁぁっ、出させて、くれぇっ」
「もう、いいの? ずいぶんと早いのね」
 堆積する愉悦に乗じ饒舌になる己を自覚しつつ。踏みつける圧力を強めて、今にも弾け出しそうな精を肉筒の中に押し留める。それでいて幹の腹を爪で掻くように撫で擦り、男の苦悶を煽ることは欠かさなかった。
 腰の芯から脳髄まで突き抜ける衝動すら牝にコントロールされる辱めに、喘ぎ、もがきながら。無理やり射精を堰き止められた肉棒が、断末魔の脈動を響かせる。
 追いつめた獲物を、猫が手の内で転がし弄ぶかのような残酷で、かつ甘露な時間。
 だが、そんな遊戯にも結局は終わりが訪れる。
「ふっ、ぐ、ぅぅぁぁっ……」
 強制的に射精を抑制された肉傘。怒張し、充血し腫れたその先端から大量の先走りがあふれて足裏へと付着し、図らずも滑りが良くなってしまう。
 踏みつぶすわけにもいかず加減して圧迫している状況では、いかに膂力に勝る義体化人間とはいえ完全に牡の動きを御することは難しかった。
「はぁ、はッ、はぁぁぁ……おぉ、っぐぅぅっ」
 自ら噴いた汁を潤滑油に、男が腰を振り始め。荒ぶる吐息と情けない喘ぎ声が闇夜にしじまする。
「もう、イクのね」
 残念なような、それでいてホッとしたような──。寂しさにうずく股間と、恋人のことを想い煩悶する思考とがせめぎ合いながら燃え盛り、女に最後の責めを敢行させた。
 ぬりゅ、ぬるるっ、ずりっ……ずりゅりゅぅ!


 
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