「はい。ちぃちゃん、よく聞いてください──」
その時、百歌の紅い双眸が千里をじっと見つめた。少女は突然の酩酊感に目を回し、全意識を百歌の声に傾ける。
百歌は千里の耳に唇を寄せ、囁いた。
「ちぃちゃんは生娘ですか?」
「……? うむ、経験はないが……」
「自慰は週に何度ですか。多い時は?」
「週には……二、三回か……月のものの前になると、四、五回かのぅ……?」
「やり方はどのようなのが好みですか。陰核を触るか膣内を弄るかですが」
「ナカ……の、ほうが好きかの……イくときは豆を擦ってイくんじゃが……」
「はい。もう良いですよ」
百歌が軽く掌を打ち合わせる。途端に酩酊感は去り、千里はぽーっとしたまま蟇田の唇と舌を受け入れる。
そして、一瞬後に気づいた。
(──妾はなにを言うておるのだ!?)
全くの無意識だった。詰問に答えている意識もないまま、答えた記憶だけが頭の中に残っている。しかもその赤裸々な言葉は全て、まぎれもなく千里の恥ずかしい秘密そのものであった。
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