ニヤニヤと杏を見下ろしながら、生の男性器を押し進める久里須に杏は悪態を続ける。
「試合でも相手が不利な状況じゃないと勝てない」
　薄目の陰毛の下で一切色素の沈着がない陰唇を、赤黒い亀頭が押し分けていく。
「あたしだって、こんな卑劣な提案をしなきゃ抱く事もできない」
　ぷち、と何かが破れる音が宗介にも聞こえた気がした。
　久里須は杏の罵倒など気にする素振りもなくニヤついたまま口を開く。
「お、ちょっとだけだけど血が出ちゃったな。大丈夫？　痛くない？」
　返事を聞くまでもなく腰を進める。通常より強大なフォルムを有する男性器を半分ほどまで滑らかに挿入する。
「……うっ、く」
　杏は初めての他人の侵入に歯を食いしばるが、弱気は見せまいと険しい表情のまま久里須を睨み上げる。
「痛いもんか。あんたの拳だろうが、勃起ちんこだろうが、あたしにとっては蚊に刺されたようなものだ。この道場で鍛えられたあたしが、あんたの身体で痛みなんて覚えてやるもんか卑怯者っ！」