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女妖狐の退魔録
白濁に溺れる椿

小説:空蝉 挿絵:つづきますみ

 

 延々と攻め来る絶頂の高波に溺れるうち、氾濫する快楽以外の感覚と感情を見出せなくなってゆく。
(すま、ぬ、すま、ぬ……ああ……気持ち、イイィ……♥)
 誰に謝っていたのか、じきにそれすらわからなくなり、ただただ腹の内に注がれ溜まりゆく種汁の温み、粘り、子袋の内粘膜に刻みつけられ続ける牡の逞しさに耽溺した。
「ブフゥゥッ、まだだっ、まだまだっ、出し尽くしてやるから壊れんじゃねぇぞぉぉぉ……ッ!」
 嘶き同様に切なげに打ち震えた逸物。それに呼応して締めついた膣襞が、射精真っ只中の亀頭に、あやすように舐りついては、さらなる種を搾り取る。
「やっと見つけたっ、俺の……全部をぶつけても壊れねぇ穴ああ……!!」
 びゅぐ! どぶっ! ――ぶぐぅ!
 種汁を噴きつけながら突き、そのさなかにも新たな種を生成しては雄々しく脈打つ。そんな萎え知れずの逸物の猛攻を浴びながら、人よりも頑健な身体と心を持ったことを呪わずにいられない。
(あと何回。何十回? 何百回か……わしは……)
 身体が壊れるのが先か、それとも心か。いずれにしろ破滅の日まで続くであろう快楽漬けの日々に想い馳せても、恍惚しか胸の内に生まれぬことが何より哀しかったけれど。
 ――ごづ! ごづごづんっ!
「んひゃあぁぁっ♥ ひぐっ、まひゃっ、波っ、くりゅううううっ♥」
 じきに恍惚の波に溺れ、考える暇もなくなった。

 
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